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歴史と個性が盛りだくさん。エリア対抗!せんべい有名ランキングBEST5

2024.12.16
歴史と個性が盛りだくさん。エリア対抗!せんべい有名ランキングBEST5

せんべいは日本伝統のお菓子です。
有名なせんべいの中には、長年の歴史や独自の製法がふんだんに盛り込まれていますが、残念なことにあまり知られていません。
今回は、お取り寄せをしてでも食べたい、日本全国の有名なせんべいを厳選して5つご紹介していきます。

地域ごとに、独自の特徴を持つ有名なせんべいは、その歴史や製法を知れば、洋菓子にはない大きな魅力を感じるでしょう。
日本が長年お菓子として親しんできたせんべいの本当の魅力を知り、ぜひ贈り物として、大切な方にもお届けください。
では早速見ていきましょう。

エリア別!有名せんべい5選。その歴史と味わいをご紹介

①埼玉県「草加せんべい」

埼玉県「草加せんべい」

日本を代表する有名なせんべいとして、まず思い浮かぶのが「草加せんべい」ではないでしょうか。

草加せんべいは、堅焼きで、醤油の香ばしさとパリッとした食感が特徴です。
小麦と砂糖を使った甘口のものとは全く異なり、米と醤油を使ったバリバリっと砕ける食感と、醤油の香りが口の中で広がる素朴で懐かしいおいしさが魅力です。

江戸時代に草加宿で作られ始めたのがルーツとされ、長い日光街道の間食として人気が出たことで「草加」の名物になったと言われています。

現在も、草加市伝統産業技師という、熟練の技をもつと認定された職人がていねいに焼き上げているため、その味わい・美味しさを楽しむことができます。

発祥の地:日光街道で第2の宿駅として発展した草加宿
発祥時期:江戸時代
味:醤油の香ばしさ・堅焼きでパリッとした食感

②岩手県「南部せんべい」

岩手県「南部せんべい」

南部せんべいは、南北朝時代から岩手県や青森県といった南部地方で親しまれてきた有名なせんべいです。
小麦粉と塩と水を混ぜて練った生地を、丸い鋳型で焼いた、薄焼きでカリッとした食感が人気です。

鋳型からはみでた薄いミミと言われる部分が、このおせんべいの特徴で、ミミの部分だけを揚げたり炒めたりして食べることもあるようです。

草加せんべいのようにお米から作らず、小麦粉に塩と水を使って作られた背景には、当時この地域では米の収穫量が少なく、庶民の主食は、凶作に強い小麦や蕎麦、ひえであったという、苦しい食糧事情が関係しています。

南部せんべいは、冷害・凶作に悩まされてきた人たちのアイデアと工夫で誕生した、歴史あるおせんべいなのです。

発祥の地:八戸地方・岩手県北地方(旧南部藩の領地)
発祥時期:南北朝時代
味:生地にピーナッツを入れたものや、ごま、甘いクッキー生地など、現在は多種多様な種類のおせんべいが楽しめます。

③千葉県「ぬれせんべい」

千葉県「ぬれせんべい」

柔らかくてしっとりした独特の食感が特徴のぬれせんべい。
この有名なせんべいの発祥となる千葉県銚子市は、お米の名産地として有名なだけでなく、醤油としては日本一の場所となります。

特徴的なのは、食感がしっとりしており、噛めば噛むほど滲み出る醤油の味が魅力です。
これは、焼き上げた後に醤油につけ込む製法からなるもので、商品化した1963年当初は、「しめっている」という苦情も多かったようです。

その後、2011年の東日本大震災後、ぬれせんべいの販売で復興資金を集めたり、銚子電鉄の資金難を救うなど、多くの人に愛される商品となっています。

発祥の地:千葉県銚子市米菓店「柏屋」2代目店主の考案
発祥時期:1960年ころ
味:濃い醤油味。しっとりした食感。

④京都府「千寿せんべい」

京菓子處鼓月が、ドイツの機械を取り寄せ生み出したのが「千寿せんべい」です。
波型のクッキー生地に、甘いシュガークリームをはさんだ洋菓子のような和菓子です。

口の中でパキッと割れて、サクサクと溶け、ほんのり甘いシュガークリームが口中にひろがります。

昭和38年に誕生し、長い間、多くの世代に愛されています。

味わいの最大の特徴は、グルテン形成が少ない「宝笠」と「国産小麦粉」を独自の配合でブレンドしており、それがこの味わいを表現しています。

京菓子處鼓月は、昭和二十年に京都で創業し、その当時和菓子には使用されなかった、ミルクやバターを使って、伝統の京菓子の概念を超越した和菓子の開発を行ってきました。
千寿せんべいは、そんな鼓月の代表となる有名なせんべいです。

発祥の地:京都府
発祥時期:昭和二十年
味:バターが香るシュガークリームの甘さと、サクッとした食感

⑤兵庫県「瓦せんべい」

兵庫県「瓦せんべい」

神戸で有名なせんべいは、明治に作られた瓦せんべいです。
小麦、卵、砂糖といった、当時の日本人にあまり馴染みのなかった材料から作られ、「贅沢せんべい」「ハイカラせんべい」とも言われていました。

その味わいや製法から、見た目は和菓子であるものの、洋菓子として神戸の人々の生活に馴染んでいます。

瓦せんべいは、長い鎖国時代を経て、海外の文化が一気に入り込んできた時代背景と、港町神戸という土地柄が合わさった、文化と地域柄を象徴したお菓子です。

シンプルな製法であるがゆえ、職人の技術が全てであり、その伝統的な製法は今も受け継がれています。

瓦の形には、「堅く、家を守る」などの意味合いもあり、縁起の良いものとして、贈り物にも大変喜ばれます。

送る相手によってセレクトしたい、食感・味・見た目の選び方

おせんべいを食べる子供のイメージ

60歳以上の方へ:風味豊かで、歯にやさしいせんべい

おせんべいは好きだけれど、年々硬いものはちょっと・・・という世代には、歯に優しく、香ばしい風味がしっかり楽しめるせんべいがおすすめです。

しっとり系や柔らかめのせんべいが人気ですが、濃厚な味が楽しめるものも好まれます。

噛めば噛むほど味わい深い「ぬれせんべい」のようなせんべいも、味わい深いものを好むこの世代にはぴったりかもしれませんね。

和菓子好きの方へ:伝統的な技法や上品な甘さが特徴のせんべい

和菓子好きには、昔ながらの伝統的な製法や、上品で控えめな甘さのせんべいが喜ばれます。

和の趣を感じさせる味わいや見た目も重視して選ぶと良いでしょう。

兵庫県の瓦せんべいや、京都府の千寿せんべいは、見た目も楽しく喜ばれそうですね。

小さなお子様がいる世帯へ:手軽に食べやすく、見た目が楽しいせんべい

子どもがいる家庭には、見た目が楽しく、子どもが食べやすいサイズのせんべいが向いています。
硬いせんべいを嫌がる場合が多く、醤油味もまだ好みではないでしょう。

兵庫県の瓦せんべいや、京都府の千寿せんべい、岩手県の南部せんべいがおすすめです。

ナチュラル志向の方へ:シンプルで素材の味を活かしたせんべい

健康志向やナチュラル志向の方には、添加物が少なく、素材そのものの味わいを活かしたせんべいがおすすめです。

こちらでご紹介している大抵の有名なせんべいは、シンプルな製法や素材を活かしているので、健康に気遣う人にはおすすめでしょう。

妊婦さんやお年寄り、添加物を意識している方には、和菓子の中でも特にせんべいは非常に喜ばれる贈り物です。

兵庫県で有名な瓦せんべい。神戸亀井堂総本店の歴史と魅力

兵庫県神戸市は港町であることから洋菓子が有名ですが、その歴史になぞらえて、洋風の味わいにこだわり、独自の製法で作る有名なせんべいがあります。

亀井堂総本店の「瓦せんべい」です。

亀井堂総本店は、「瓦せんべい」の発祥の店とも言われており、150年以上神戸でお土産に選ばれ続け、その味わいも創業当時から変わることなく、受け継がれています。

サクサクとした食感と上品な甘さが特長で、瓦せんべいの焼き印には、湊川神社に奉られた楠木正成の騎馬鎧姿を描いたものなど、神戸ならではの歴史的背景が込められています。

湊川神社とは、神戸市中央区にある神社で、地元では“楠公さん”と呼ばれ親しまれています。

また、祭神の楠木正成は、1331年(元弘元年 / 元徳3年)に後醍醐天皇に応じて挙兵し、鎌倉幕府倒幕に貢献した武将で、誇り高く気高い日本人の理想像として祀られている人物です。

瓦せんべいに楠木正成を知るした理由は、明治時代の人々が、勇敢な武者を焼き付けた瓦せんべいを頂く事で、その心意気にあやかろうとしたのではないかと言われています。

また、亀井堂総本店の「瓦せんべい」は、本物とほぼ同じ大きさの瓦から手ごろなサイズの小瓦まで、色々なサイズの瓦せんべいがあります。

熟練した職人だけが押すことを許された、重厚で迫力のある楠木正成の騎馬鎧姿の焼印を、本物の瓦と同じサイズのせんべいで楽しめるなんて、大切な方へ思わずお贈りしたくなりますよね。

厚い生地なのに軽やかな食感は、口の中で自然に溶けて甘味が残り、年齢とわず喜ばれます。

瓦には、「堅く、家を守る」という意味もあり、そこに「忠臣の鏡」として称えられてきた楠木正成の姿を記すことで、縁起物として使われることも多いです。

神戸の有名なせんべいとして、亀井堂総本店の「瓦せんべい」を、ぜひその歴史背景とともにお土産としてお贈りしたいものです。

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せんべいを美味しく食べるために知っておきたいこと

せんべいを焼いているイメージ

Q1. おせんべいはどのように保存すれば美味しさを保てますか?

おせんべいは湿気に弱いため、密閉容器やジッパー付き袋に入れ、乾燥剤を一緒に入れるのがおすすめです。また、直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所で保存することで、パリッとした食感を長く保てます。もし湿気てしまった場合は、オーブントースターで軽く焼くと、香ばしさと食感が復活しますよ。

Q2. おせんべいはお茶と一緒に食べると良いのはなぜ?

おせんべいの醤油や塩味は、緑茶やほうじ茶の渋みや香ばしさと相性が抜群です。
日本は茶文化であり、せんべいは古くからお茶請けとして親しまれてきました。そのため、食べ進めても飽きが来ないように、相性を考えて作られているのです。

Q3.甘いおせんべいはいつ頃から作られるようになったのですか?

甘いおせんべいが登場したのは、明治時代以降です。
この時代、砂糖が普及し始め、和菓子やお菓子に使われる機会が増えました。この甘さは、従来の塩味や醤油味とは異なり、新しい魅力として広がりました。

Q4:地域によってせんべいの味が異なるのはなぜですか?

せんべいの味は、各地域の食文化や特産品に影響されています。
例えば、醤油の生産が盛んな埼玉県の「草加せんべい」は、醤油味が主流です。
一方で、米どころの新潟では、米の風味を活かした薄塩味や白せんべいが人気ですよね。
兵庫県の神戸では、港町という背景により洋菓子が多く庶民の生活に入ってきたことをうけ、それらの素材を使った「瓦せんべい」が生まれました。
このように、地域性がそのまま味や製法に反映されているのが、せんべいの魅力の一つです。

まとめ

いかがでしたか?
せんべいと一口にいっても、エリアによって味わいや、個性も歴史もさまざまです。
自分が今まで食べてきたせんべいや、さまざまなお菓子と比べ「美味しい」「美味しくない」を決めるのも大切ですが、歴史的背景から今の味や形になったと知って食べてみると、また違った味覚や味わいを感じられるでしょう。

もし、有名なせんべいを贈答用として考えていたり、食べてみたいと思った時に、ぜひこういった今の味わいに行き着いた歴史をお調べすることをおすすめします。
そうすることで、かつての日本人の職人たちがこだわった、思いや技術をその味の中に感じることができるかもしれません。